札幌駅総合開発株式会社

アートボックス

ART BOX in JR TOWER

アートボックスとは?

アートボックスは、新人作家の育成というコンセプトのもと、2009年から展示を開始し、新人作家の方々へ新たな発表の場を提供するとともに、パブリックな空間を行き交うお客様にアートを楽しんでいただいております。
今年度、第4回目の展示は、公募作品から選定された、谷口顕一郎「世界凹み彫刻図鑑」です。
札幌とドイツ・ベルリンを拠点に活動する彫刻家谷口は、誰もが行ったことのない「凹み」(路面や壁面などの表面上にできた亀裂や破損箇所など)を作品のモチーフに彫刻を制作しています。その「凹み」の中にしみこんだ美を中心に社会性、時間性、空間性などを取り込み、新たな創造やその土地の再認識、そして何よりもその「凹み」に価値を与えています。
人の心に残る「凹み」という型を再生する感知能力に長けている谷口顕一郎の作品を是非、この機会にご覧ください。
展示期間
2023年7月1日(土)~11月30日(木)
場所
JRタワー1階 東コンコース

-世界凹み彫刻図鑑-

(作家コメント)
路面や壁面などの人工物上に自然の力が作用して生まれたひび、剥離、破損箇所などを「凹み」と定義し、2000年より作品のモチーフにしています。古い、汚いといった負のイメージがある凹みも、絵画的に輪郭だけを抽出してみると、多様で魅力的なキャラクターを持っています。これまでに世界45カ国で約450個を採取、形のストックとしてアーカイブしてきました。
この凹みの形を華やかな黄色のPVC板で切り出し、さらに複数のパーツに分け、再び蝶番でつなぐことで、折り畳んだり、開いたりできる可動彫刻(凹みスタディシリーズ)が生まれます。それは、私にとって凹みのかたちを考え、そのうえ何度も変身させることができる「玩具」のような存在でもあります。
本展では、2022年度版「世界の凹みマップ」と、ロシア、オランダ、スペイン、ドイツ、アルゼンチン、韓国、台湾、そして札幌の凹みから制作した彫刻を紹介します。

 

谷口 顕一郎(たにぐち けんいちろう) (2023年7月現在)

■略歴
北海道教育大学芸術文化課程卒業。
札幌とドイツ・ベルリンを拠点に活動、札幌市民交流プラザ(2018)やオランダ司法省新築ビル(2012)等にて公共彫刻の設置を手がける。第1回本郷新記念札幌彫刻賞受賞(2015)。
ポロック=クラズナー財団(2017)や日本文化庁新進芸術家海外派遣制度(2008-2010)の研修員。
主な展覧会に、アムステルダム国立美術館、ロッテルダム美術館、A4美術館(中国・成都)、テジョン美術館(韓国・大田)、コーダ美術館(オランダ・アペルドールン)などがある。