CLOSE

JR TOWER

JR TOWER
【JR TOWER Short Story Vol.02】 「こころの霧を晴らすには」 / 作: 守屋 一明 PROFILE FLASH版HTML版 TOPへ戻る

「こころの霧を晴らすには」

「あーあ、何かいいことないかなぁ」
 このところユリは、口癖のようにこの言葉が口をつく。いいことってなんなのか、ユリにもはっきりは分からない。でも、毎日が何か物足りない。おいしい物を食べても、グッとくる映画を観ても、こころが満たされない。そんな日々がつづく。
 特別、悪いことがあったわけじゃない。両親はまだまだ元気だし、大枚入った財布を落としたわけでもない。
 つきあって半年になる彼とは、いささかマンネリ気味とはいえ、会ってるときはけっこう楽しい。
 給料は多くはないけど、そこそこもらえる。考え方によっては、働くところがあるだけでも幸せ。まして、今のところはリストラされる心配もないのだから、ありがたいことだ。
 容姿だって・・・。 ユリはときどき鏡に問う。まぁ、ちょっと甘めの自己採点で人並み以上、八十点ってところだと思っている。

前へPREV 次へNEXT
Copyright(c) 2005- Sapporo Station General Development Co.,Ltd. All rights reserved.