札幌駅総合開発株式会社

JRタワーについて

JRタワー

駅は、出会いや旅立ちといった記憶の場であり、同時に日常の人の流れの拠点、都市構造の中核です。
札幌駅南口は、1988年の鉄道高架化をきっかけに再開発計画をスタート。
JRタワーのデザインも、次代に残すべき駅のあり方と、都市との関わり方を大きなテーマに考えられました。

外観デザインは、3代目駅舎の明治洋風建築のディテールや温かみのある色彩などに、4代目駅舎の水平線を強調したイメージをプラス。
駅とともに歩んできた札幌の「街の記憶」を大切にしました。
また正面中央部には、世界的に活躍されている北海道出身の彫刻家・デザイナー五十嵐威暢氏デザインによる「星の大時計」を、駅の象徴として配置しています。

都市景観の面では、駅前通りと西3丁目通りの正面にアイストップを設け、整然とした札幌の景観に配慮。
さらに高層のJRタワーを正面からずらすことで「空」を確保し、自由で開放的な風景をつくり出しました。
同時にタワーは、どこからでも視認できる札幌の新しいランドマークとなります。
駅の歴史性と高層タワーの未来性。先人のフロンティアスピリットを受け継いだ、まさに札幌にふさわしい可能性に満ちた空間の誕生といえます。

三代目札幌駅舎前

三代目札幌駅舎前

四代目札幌駅舎前

四代目札幌駅舎前

現在の札幌駅南口

現在の札幌駅南口

1978年11月 札幌駅付近高架化工事着工
1988年11月 札幌駅付近高架一次開業
12月 「札幌駅周辺地区整備構想策定委員会」を設置(札幌市)
太田實委員長(北海道大学名誉教授)
1989年7月 札幌駅高架下商業施設「パセオ」一次開業(札幌ステーション開発株式会社)
1990年9月 札幌駅付近高架化工事着工
11月 札幌駅高架下商業施設「パセオ」グランドオープン(札幌ステーション開発株式会社)
1992年5月 「札幌駅周辺地区整備構想策定委員会」による提言
1993年3月 「札幌駅南口土地区画整理事業」都市計画決定、施行認可
7月 「札幌駅南口土地区画整理事業」による仮換地指定
1995年11月 「札幌駅南口土地区画整理事業」により北海道旅客鉄道株式会社本社移転
1996年12月 「札幌駅周辺街づくり委員会」を設置(札幌市)
小林英嗣委員長(北海道大学工学部教授)
1997年3月 株式会社大丸と北海道旅客鉄道株式会社が共同で建物提案方式による契約締結(百貨店)
4月 「札幌駅周辺街づくり委員会」による提言
7月 「札幌駅南口総合開発計画建設委員会」設置(北海道旅客鉄道株式会社、株式会社大丸)
渡辺定夫委員長(東京大学名誉教授)
10月 札幌駅南口開発株式会社設立(出資者:北海道旅客鉄道株式会社)
1998年3月 札幌駅北口広場供用開始(札幌市)
5月 札幌駅南口広場地下街増改修工事着工(札幌駅地下街開発株式会社)
7月 札幌駅南口広場造成工事着工(札幌市)
「札幌駅南口開発基本計画」発表 (北海道旅客鉄道株式会社、株式会社大丸、レールシティ東開発株式会社、
札幌駅南口開発株式会社)
1999年10月 札幌駅南口広場地下街「アピア」開業(札幌駅地下街開発株式会社)
11月 「札幌駅南口開発実施計画」発表(北海道旅客鉄道株式会社、札幌駅南口開発株式会社など11社)
12月 株式会社北海道ジェイ・アール・ホテルズ設立(出資者:北海道旅客鉄道株式会社)
2000年1月 札幌駅南口総合開発ビル(仮称)着工
8月 建設地地下より温泉湧出「札幌駅温泉」と命名
11月 札幌駅南口総合開発ビル名称「JRタワー」発表
2001年1月 札幌駅南口開発株式会社とシネマフロンティア共同事業体(松竹、東宝、東映の3社で構成)が建物賃貸借契約を締結、
「JRタワー・シネマサッポロ(仮称)」の開設決定
5月 JRタワーオフィシャルWebサイト開設
7月 札幌駅南口開発株式会社がショッピングモール(専門店ゾーン)のテナント募集説明会を開催(札幌・東京)
7月 株式会社北海道ジェイ・アール・ホテルズが三國清三氏(有限会社オテル・ドゥ・ミクニ)と、レストラン、デリカテッセンの
企画・運営に関する業務提携契約を締結
11月 JRタワー上棟式
12月 JRタワーロゴマーク発表(五十嵐威暢氏デザイン)
12月 JRタワーアート計画第1期作品募集開始
2002年3月 大時計除幕(五十嵐威暢氏デザイン)
7月 JRタワーアート計画第2期作品募集開始
10月 JRタワー商業施設概要(大丸札幌店、札幌ステラプレイス)の発表
12月 札幌ステラプレイスカウントダウンイベント開催
2003年2月 JRタワー竣工式
札幌シネマフロンティア、プレオープン
3月 JRタワー開業

あらゆる人が快適に利用できること。
さまざまな視点から開発しました。JRタワーのコンセプトは、誰でも快適に利用できるバリアフリー環境、人にやさしい空間づくり。

細部にバリアフリー
ユニバーサルデザインを取り入れた館内サイン

ユニバーサルデザインを取り入れた館内サイン

車椅子専用駐車スペース

車椅子専用駐車スペース

どなたにも通行しやすいよう全館の段差を解消。
車イスでもお使いになれる駐車場・エレベーター・トイレも配しています。
さらに、館内のサインは「すべての人のために」という視点でデザインを展開。
また、B1・1Fのコンコース、東モールには音声標識ガイドシステムを配し、視覚障害者の方々に館内の情報提供を行います。

誰にも使いやすいトイレデザイン

大部分のトイレが、アプローチの段差をなくし、広めのスペースを確保、手すり、ベビーチェア、ベビーベッド等を配しています。
また、介護用スペースや車イスが回転できるスペースを持つトイレ、オストメイト等のための給湯設備を備えたトイレも設置。
各フロアで異なる多様なデザインも大きな特徴です。

バリアフリーな空間

バリアフリーな空間

大きな開閉ボタン

大きな開閉ボタン

車イスが回転できるスペース

車イスが回転できるスペース

安心・安全な店づくり
1.
万が一、水害等が起きた場合、お客様の安心・安全を確保するために対策を講じております。
2.
緊急地震速報システムを導入しております。

当社では、地震発生時に緊急地震速報を受信し、自動的に館内に放送するシステムを導入しております。
お客様へは、大きな揺れが来る前にお知らせし、身の安全を守っていただけるようにしております。

札幌の表玄関としてのメッセージ。
環境に対してできることを、
できるだけ。JRタワーは地球環境との共生を目指し、自然エネルギーや省エネルギーシステムを採用。

環境に配慮したシステム
エネルギー利用設備コジュネ

エネルギー利用設備コジュネ

窒素酸化物、二酸化炭素の排出が少ない、天然ガスを使用するコージェネレーションシステムをはじめ、自然換気システム、太陽光発電システム、ゴミのリサイクル処理システムなど、多角的に環境に配慮したシステムを導入。また、商品を共同配送することにより、周辺交通の混雑解消を図っていきます。

そこに行けば心地よくなれる。
ホッとできる場所を表現しました。館内のデザインは、外観と同様札幌の「風土性」の表現、「街の記憶」のイメージ、「現代の駅」の表現を追求。

駅施設に融合するデザイン

ダイナミックな人の流れを演出しながら、ショッピングモールやオフィスエントランス、駅施設が融合するデザインを展開しました。 通路は広く、天井は高く、ゆったり快適に行き来できる空間。 西・東コンコースにはアトリウムを配し、明るく開放的な空間で心地よい時間をお楽しみいただけます。また、駅の屋上に駐車場を設け、その屋根にアートを募集するという全国でも例をみない展開をしています。

アトリウム

アトリウム

駅屋上アート

駅屋上アート

9F庭園

9F庭園

マークデザイン=五十嵐威暢

マークデザイン=五十嵐威暢

JRタワーのマークは、北海道民のアイデンティティであるフロンティア・スピリット「夢」「希望」をシンボリックに“風船”として造形化しました。
この“風船”の中には、メッセージなどを入れることもできます。
言い換えれば、あらゆる人が「夢」や「希望」を発するメディアとしてのJRタワーを表現しています。
自分自身で発想し、行動し、切り開く未来へ。JRタワーは、その入口でありステージでありたいと思います。

建物名称 JRタワー
所在地 札幌市中央区北5条西2丁目・3丁目・4丁目
用途 駅関連施設、店舗、ホテル、オフィス、シネマコンプレックス、展望室、駐車場施設、地域冷暖房施設
地域・地区 商業地域、防火地域、高度利用地区
構造規模 RC造、SRC造、S造/地上38階、地下4階
敷地面積 約65,500m²(鉄道高架敷地、札幌ターミナルビル敷地を含む)
延床面積 約276,000m²
(駅関連施設3,000m²、商業施設58,000m²、ホテル21,000m²、シネマコンプレックス10,000m²、オフィス31,000m²、
展望室1,000m²、百貨店68,000m²、駐車場45,000m²、地域冷暖房施設5,000m²、その他34,000m²)
高さ 173m(屋上ヘリポート)
駐車場 約1,100台
建設期間 2000年1月~2003年1月
事業主体 札幌駅南口開発株式会社(現在 札幌駅総合開発株式会社)
朝日生命保険相互会社
北海道旅客鉄道株式会社
株式会社大丸(現在 株式会社 大丸松坂屋百貨店)