札幌駅総合開発株式会社

アートボックス

ART BOX in JR TOWER

アートボックスとは?

 札幌駅総合開発株式会社は、JRタワー開業以来「JRタワーアートプロジェクト」を展開しています。
「アートボックス」は、その一環として、北海道のアーティストたちに新たな発表の場を提供することを目的に、2008年からJRタワー1階東コンコースに設置した展示スペースです。
公募作品から選定された優秀作品を、順次展示して参ります。
 第27回目の作品展示は、今村育子「光の演習」です。
 今村はほのかな明かりや音、影や気配など日常の中にある些細な光景をモチーフに見る者の遠い記憶や自己を呼び起こすインスタレーション作品を制作しています。
 今回の作品は、ボックスの中の光の柔らかな変化に、ゆっくりと引き込まれ、知らず知らずのうちに内面に入り込み、そしてその感覚は徐々に心を満たしてくれます。
 清楚な緊張感を潜ませる独創的な世界観をぜひこの機会にご覧ください。
展示期間
2014年12月1日(月)~2015年2月28日(土)
場所
JRタワー1階 東コンコース

光の演習

(作家コメント)
 場所にはそれぞれの意味や物語があって、わたしたちはそれを微かに感じながら生きているのではないかと思います。誰かの意図でつくられた窓から、時間になると光が落ちて床のディティールを濃く写し出したり、朽ちてしまったドアの隙間から光の筋が現れ、見えない時間を見ることができたりと、現象が人々の意図、場所の歴史や物語を浮き上がらせていくと考えます。そこにわたしたちが鑑賞者として関わることで、そこでしか体験出来ない何かが生まれてくると信じています。
 今回は都市の中に設置されている空間で、どのようなアプローチが有効なのかを意識しながらスケッチしました。雑踏の中では、たくさんの人に届くように大きな声を出すことが必要ですが、でも声が小さいからといって、叫んじゃいけない訳でもないし、届かないわけじゃなくて、そういう層や多様性があって受け入れる大きな器みたいなものが、都市なんだと思います。
また都市の中で、一生出会うことのないであろうたくさんの人にすれ違うとき、世界の浅さと深さを見せつけられている気がして、わたしたちの存在の儚さと永遠について考えながら制作しました。時間が経過することで失われてしまう「みずみずしさ」を内包しているように見えて、いつまでも体感できるようなモチーフを使い、その場の持つ意味や物語を意識して空間を構成しています。

今村育子(いまむらいくこ) (2014年12月現在)

略 歴
1978年 札幌市生まれ
2014年「そらち炭鉱の記憶アートプロジェクト」旧北炭送電線鉄塔・唐松駅/三笠
2014年「札幌国際芸術祭2014」札幌大通地下ギャラリー500m美術館/札幌
2013年「奔別アートプロジェクト」旧住友奔別炭鉱 選炭施設内 石炭積み出しホッパー/三笠
2012年「ART OSAKA」ホテルグランヴィア大坂/大阪
2011年「Living Art」札幌芸術の森美術館/札幌
2010年「カーテン」CAI02/札幌
2009年 おとどけアート【ゆめのとんでんみなみ村】市立屯田南小学校でワークショップ、
2009年ほか/札幌
2009年雪国の華-N40°以北の日本の作家達-」上海莫千山路50号/上海、中国
2007年「札幌美術展2007 札幌を彩る作家たち[街の想い出 私の記憶]」市民ギャラリー/札幌
2006年「FIX・MIX・MAX!現代アートのフロントライン」北海道立近代美術館/札幌
2006年「Exposicion de Ikuko Imamura/Arte Contemporaneo」ハラパ/メキシコ